フリーランスのお金

フリーランスにはない!傷病手当金とは?理由と対策を解説【元生保営業&FP】

読者さん

フリーランスになったはいいものの、もし病気やケガで働けなくなったらどうしよう?

そんな不安を感じたことありませんか?


病気やケガで働けなくなった時に受け取れる保障として、「傷病手当金」があります。

実はこの傷病手当金、フリーランスは受け取れません

関根

実は私も会社員時代に、傷病手当金を利用したことがありました。

なのでその辺の体験談もお話ししていこうと思います!


この記事では、

  • 傷病手当金の概要
  • フリーランスに傷病手当金がない理由
  • 代わりにできる対策

を元生命保険会社の営業で2級FP技能士、AFP保有の関根がわかりやすく解説します。

フリーランスの方も、これからフリーランスを目指す方も、ぜひ最後までご覧ください!

フリーランスにはない!傷病手当金とは?

傷病手当金とは、会社員や公務員の方が病気やケガで働けなくなったときに、健康保険(被用者保険)から一年半、給与の3分の2が給付される制度です。

仕事を休んで4日目以降から受け取れます

支給される期間……支給を開始した日から通算して1年半。

例)支給開始日が1月4日(1月1日〜3日は待機期間)の場合

→1月4日〜1月31日まで休み、2月1日は出勤、2月2日〜休み

2月1日は1年半の計算に含まない!

健康保険は3種類ある↓↓

  1. 国民健康保険……フリーランス、個人事業主、自営業者などが加入する
  2. 被用者保険……協会けんぽ・健康保険組合・共済組合がある
  3. 後期高齢者医療制度……75歳以上が加入する
関根

もっと簡単にいうと、病院や薬局で「保険証ありますか〜?」って言われる、あの保険!原則3割負担で済むやつ。

傷病手当金は健康保険の中でも、被用者保険から支給されるもの

フリーランスは基本的に国民健康保険に加入するため(そもそも国民健康保険に傷病手当金の制度がないため)、たとえ病気やケガで働けなくなっても公的な支援がないんです!

読者さん

だから「フリーランスは社会保障が薄い」と言われるんだね……。

対象となる条件①業務上の病気やケガ

傷病手当金の対象となるのは、「業務外の病気やケガ」です。

「業務外」……仕事とは関係ないこと


つまり仕事と関係のある病気やケガ、通勤途中のものは労災から給付される!

具体的には、保険適用になるものが対象です。

  • 風邪やインフルエンザ
  • 感染症
  • 胃腸炎
  • がん
  • ストレスによるもの
  • 骨折 などなど

美容整形も健康保険の対象外なので、傷病手当金は出ません。

対象となる条件②「仕事ができない状態」である

傷病手当金を受け取るためには「仕事ができない状態」であることが条件です。

読者さん

かぜを引いてるけど、仕事いけます!

↑このようなときは当然ながら仕事ができている状態なので、傷病手当金は受け取れません。

対象となる条件③最初の3日間は受け取れない

連続して3日間休んで、4日以降も仕事を休んではじめて、傷病手当金が受け取れます

この3日間のことを待機期間といいます。

関根

待機期間中は、有給休暇を利用して給与を受け取ることが一般的!

「待機期間」という言葉は民間の生命保険でもよく使われます。

つまり「その病気やケガがあっても支給されないよ」という期間です。

対象となる条件④給与が支払われていない

傷病手当金が支払われるのは、給与が支払われてない場合です。

会社から一部だけ給与が支払われていて、その金額が傷病手当金よりも少ない場合には、その差額分を補う形で傷病手当金が支給されます。

関根

有給で休んだ際も傷病手当金の対象外だよ!

傷病手当金の金額は?

傷病手当金で支給される金額は給与の3分の2程度です。

協会けんぽのサイトには、以下の計算式があり、この計算式を用いて求めることができます。

(出典:病気やケガで会社を休んだとき|全国健康保険協会

標準月額……健康保険や厚生年金保険の保険料などを算出する基準となるもの。

毎月の給与を1〜50段階に分けたもの。


例)標準月額が24万円の場合

24万円÷30日×2/3=約5,333円=1日あたりの金額

  • 5日休むと、約5,333円×5日=約2万6,665円
  • 10日休むと、約5,333円×10日=約5万3,330円
  • 20日休むと、約5,333円×20日=約10万6,660円

になります。

関根

私が昔、傷病手当金を受け取った時は、月収は20万円程度だったのですが、13万円程度もらっていました。

まずお金をいただけることで不安も少なくなり、治療に専念できたのを覚えています。

フリーランス|傷病手当金がない時の対策

対策の一つとして民間の保険会社が販売する「就業不能保険」があります。

就業不能保険とは、長期間病気やケガで働けなくなったとき(保険会社所定の状態に該当した場合)に、毎月一定額の保険金を、一定期間受け取れるものです。

病気やケガになった時にかかるのは医療費だけではありません。

働けなくなるとその分、収入がなくなり、生活が苦しくなることもあるでしょう。

受け取れる保険金は、家賃や食費、水道光熱費、教育費など、使い道に制限はありません。

関根

実は夫もフリーランスで、保険関係を精査しているのですが、夫が独身時代から就業不能保険に加入したことが判明。

私も就業不能保険が必要かな?と4社から資料請求をしているところです。

(ただ支払い条件が結構厳しくて本当に必要か?と思ってきました……)

価格.comで資料請求しました!

実際に4社の商品を見て感じたメリットとデメリットを紹介します。

就業不能保険のメリット

メリットは、(保険会社所定の状態に該当すれば)保障は手厚いこと。

保険会社によって給付金の支払い期間や設定できる月々の金額は異なりますが、2年間・5年間・保険期間満了まで(65歳・70歳など)といった形で、毎月お給料のように給付金を受け取れます。

「支払い期間が2年・5年とか少ない!」と思われるかもしれませんが、

「子どもが卒業するまで」といった一時的なリスクに備えられるのは大きなメリットです!

就業不能保険のデメリット

デメリットは、支払いの条件がありすぎること。

具体的には、

  • 支払いは「就業不能状態になってから60日・180日以降から」
  • 責任開始時点以降の病気やケガが対象(その前の病気やケガが原因の場合には支払われない)
  • 病気やケガで「入院」した場合
  • 精神疾患が直接の原因となった病気やケガは対象外

など

商品によっても支払いの条件は異なりますが、給付金を受け取るまでのハードルは高いと言えるでしょう。

「傷病手当金の代わり」とはもしかしたら言えないかもしれません……。

まとめ|所得保障保険も検討すべき?!

最後に軽く「所得保障保険」についても触れていこうと思います。

所得保障保険とは、仕事ができない状態のときの収入源に備える保険です。

就業不能保険よりも保険料が安く、補償期間(支払われる期間)が数ヶ月〜1年程度と短いのが特徴。

(そして損害保険会社が販売している、就業不能は生命保険会社が販売)

セキネ

実際に資料請求をして、調査してみようと思います!

フリーランスとして入るお金(収入)だけではなく、出ていくお金(支出)も把握したいところ。

しっかりと資料請求をして、自分のために、そして大切なご家族のために、過不足のない保険に加入しましょう!